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ちょうどいい塩梅ープロの技が紡ぐ味の世界

hokkorisweets
4月27日
読了時間: 5分

 ジョブチューンというテレビ番組をご存知ですか?コンビニスイーツや飲食店など大手チェーン店の商品を、それぞれの分野の超有名料理人がジャッジする番組です。大手食品メーカーの開発担当者の方々が長年にわたって積み重ねてきた努力の話が聞けたり、料理人の鋭い解説がとても参考になって面白いんですよ。大好きでよく見ているのですが、2026年4月25日放送の回では、「タリーズ」が自信を持つ商品10点が超有名製菓職人のジャッジを受けるという内容でした。

いくつかは満場一致で菓子職人たちが絶賛していたのですが、中でも私がとても気になったのがシナモンロールです。自分で焼いたり習ったりしてきた中で、シナモンロールのシナモンの塩梅がちょうどいいと思ったことが一度もないんですよ。シナモンが強すぎると薬のような味がするし、逆に万人受けを意識しすぎてシナモンの香りがまったくしなかっり……。私は薬剤師なので、生薬の桂皮がすぐ連想されます。桂皮・ニッキ・シナモンは、実は含有成分が少しずつ異なるのですが、あまりにきつすぎると薬を食べているような感覚になって、とても不快な気分になってしまうんですね。

 放送の翌日、大阪に出かけたついでにタリーズを探しました。1軒目は日曜日で閉まっていたため、別のお店へ。ショーケースの商品に「ジョブチューンで取り上げられました」と記されていて、

シナモンロールはなんと最後の1個でした。

番組内で「温めて食べるのがおすすめ」という

お話だったので温めてもらっていただいたところ、皆さんがおっしゃるとおり「シナモン好きが作るシナモンロール」というコンセプトそのままに、シナモンの香りはしっかりあるのに、あの嫌味のような苦みがまったくなく、とても美味しかったんです。

これまで食べてきたものは何だったのだろうと思うほどの美味しさでした。

 天然酵母起こしから始めるパン教室に通っていた頃、「オーガニックシナモンなら嫌味がなく美味しい」という話を聞き、実際に使ったこともありましたが、なんとなく思い描いていたものとは違ったような記憶があります。タリーズのシナモンロールは、シナモンの塩梅もパンとの相性も素晴らしく、これまでに感じたことのない美味しさです。開発者が10年以上かけて納得のいくまで改良し続けてきた商品だそうです。


 20余年前、雑誌で紹介されて知った北海道・余市の燻製屋さんの新巻鮭燻製(ソフトタイプ)が、本当に美味しいんです。包丁を入れるとねっとりとして・・

カメラなどいろいろとお世話になった方へ、焼いたパンとともに段ボールに詰めてお送りしたことがありました。この新巻鮭の燻製も一緒に入れると、受け取った方がとても喜んでくださる、感動ものの一品なんです。

 ところが最近、

原材料費の高騰で規模が縮小しています。

雑誌で紹介されてしばらくは北海道各地の駅に店舗が展開され、商品ラインナップも大きく広がっていたのですが、ここ数年でほとんどが撤退し、新千歳空港でも2店舗ほどでしか扱われていないんですよ。好きで年に1回は北海道を訪れ、その際には必ずニシンの燻製を2〜3本買って帰ります。少しずつ食べるたびに、

本当に美味しいなと感動するんです。母やおばと

一緒に行ったときは、私が「これ、めっちゃ美味

しいよ!」と話しながら買った直後に、残りの1本

もほかのお客さんが買っていかれて、あっという間

に店頭からなくなってしまいました。それほど少ない量しか並ばなくなってしまったんですね。

 職場でご一緒した栄養士さんも大の食いしん坊で、グルメ情報が豊富な方でした。その方が「ここのマロンケーキ、めちゃくちゃ美味しいよ」と教えてくれたことがあって。1本がとても高価な商品なのですが、「最近は原材料費が上がっているのに、職人さんは品質を落とすつもりはないみたい。経営が大変そうで、なくなってしまわないか心配」とおっしゃっていました。


 シナモンにしても、栗にしても、鮭にしても、どこのどんな素材を使うかが微妙な味の違いに直結します。もちろん配合や加工も大切ですが、長年の経験を積んだ職人さんや開発者の方々は、ほかにはない美味しさを生み出すために並々ならぬ努力を重ねておられます。ジョブチューンのジャッジの場面では、涙したり歓喜したりする姿に、その長年の努力がひしひしと伝わってきて胸が熱くなります。そのお店にしかない、真似のできない味を、原材料費の高騰などどんな逆境の中でも守り続け、末永く経営していただきたいと心から願っています。まさにプロにしか成し得ない技だと思うのです。


 私自身がプロとして携わってきた仕事は公衆衛生です。お菓子作り・パン作り・カメラは趣味として長年続けてきましたが、いずれも「なるほど、こういう原理でできているのか」という根本的な理解が深まるにつれ、どんどん楽しくなっていったものです。公衆衛生の講座は、ほかにはないものと自負しています。1年かけて、さまざまな誤解や不安を少しでも解きほぐすお手伝いができればと思っています。パン作り・お菓子作り・カメラについても、長年学んできた中で「面白い!」と感じた根本的な原理や実践をお伝えし、その楽しさをみなさんと一緒に味わっていただきたい——そんな思いで取り組んでいます。

 
 
 

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