35年間、お世話になりました。—そして、新しい扉を開けます—

3月31日。公務員の旧定年制度では、60歳の誕生日を迎えた年度末がその日です。退職発令式に出席してきました。
市長のご挨拶の中に、じんとくるものがありました。バブル景気、男女雇用機会均等法の施行、バブル崩壊、そして長い経済低迷——激動の時代を職業人として駆け抜けてきた、私たちの世代の話です。35年という時間が、走馬灯のように頭をよぎりました。
「薬剤師=調剤」じゃないんです
薬剤師というと、多くの方は「薬局で薬を出してくれる人」をイメージされると思います。でも私の35年間は、公衆衛生ひとすじでした。
公衆衛生は"ゆりかごから墓場まで"と言われるように、人の健康に関わるあらゆる法律を扱う分野です。食品衛生法、感染症法、水道法、温泉法……今日返却した立ち入り身分証1枚が管轄する法律は、ゆうに20本を超えます。
現場では、O157の集団発生、警察案件になった毒物事故の連鎖、数年おきのパンデミック——世の中が感情的なパニックに陥る場面を、何度も最前線で見てきました。そのたびに感じていたのは、「もっと理性的に、正確な情報で判断できる人が増えて

ほしい」という思いです。専門外の方がコメンテーターとして登場したり、商業的な機能性食品への誤解が広がったり、「自然のものは安心・添加物は悪」という思い込みが消費者にも事業者さんにも根強かったり……。
趣味が、事業になった

退職の挨拶回りの道すがら、桜が満開でした。思わず足を止めてシャッターを切りました。スマホカメラで曇天と悪条件でも撮りたくなります。
幼い頃からの"食いしん坊"が高じて、パン作り・お菓子作りを独学や教室で学んできました。粉・卵・砂糖という単純な材料が、微生物の働きや化学変化で劇的に変わる——その面白さは、実は微生物学や化学そのものです。写真も同じで、身の回りのありふれたものが、光と角度ひとつで芸術作品になる奥深い世界があります。
喜んでもらいたくて、ずっと手作りのお菓子やパンを配り続けてきました。「何十年も前にもらったジャムが忘れられなくて、退職してからジャム作りにはまった」という先輩男性の言葉は、今でも宝物です。カメラ仲間との毎年のグループ展やフォト活にも、いつも手作りお菓子を手土産に持参して。気づけば、本当にいろんな方々とのご縁が生まれていました。
癌サバイバーの先輩カメラマンたちが、80代になっても海外撮影旅行に行かれる姿。天の川を撮ろうと夜中の2時に「雲ひとつないから今から行くよ!」と車を出してくれる仲間。——カメラの世界では、60歳はまだまだ若手なんです。

Eラーニング事業、始めます
こんなに素敵な花束とプレゼントをいただいて……本当に、ありがとうございます。不安だらけで踏み出した個人事業への一歩を、背中を押してくださった皆さんのおかげで、ここまで来られました。
そして今、新しい事業をスタートさせています。
🎓 オンラインで学べる・つながれる場所
「楽しみながら、ちゃんとわかる」をコンセプトに、4つのコースを1年で学べる講座を開講します。
コース | こんな方に |
🍞 パン作り | 発酵の仕組みを知りながら、本格的な手作りパンを |
🍰 お菓子作り | 科学的においしさを理解して、失敗しないお菓子を |
📷 カメラ撮影技術 | 機材不問・SNS映えする写真が撮れるように |
🏥 公衆衛生 | 感染症・食品・健康情報を正しく読み解く力を |
特にカメラコースでは、「おいしそうに見える写真」にとどまらず、実際に食べてみたいと思わせる写真をSNSでどう発信するか、ノウハウまでお伝えします。飲食店やパン・お菓子教室を運営されている方にも、きっとお役に立てます。一般の方は素敵なアルバム作りまで
できるようになりますよ。
カリキュラムは7月スタート予定。 4〜6月の間に、オリジナル動画とテキストを鋭意制作中です。公務員時代よりハードワークかもしれませんが(笑)、これが今いちばん楽しい時間です。
次の「何か」が起きたとき、パニックにならずに理性的に判断できる——そんな人が一人でも増えてほしい。そして、パンやお菓子や写真を通じて、あなたが夢中になれる趣味の扉が開いたら最高です。
一緒に楽しみましょう!



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